「読解力」って何だろう?本を読むだけで身につく?「読解力」の本当の伸ばし方

「読解力」って何だろう?本を読むだけで身につく?「読解力」の本当の伸ばし方

こんにちは!最近何か本を読みましたか?

よく国語は「読解力」が大切だと言われます。でもいざ読解力とは何かと問われると、即答できない方も少なくないのではないでしょうか。

そしてよく言われるように読解力は本を読むことで身につくのでしょうか?

今日はわかったふりしている「読解力」の本当の伸ばし方をお伝えします!

読解力とは

読解力とは何でしょうか。簡単に言ってしまうと「文章などを読み解く能力」のことです。

う~んざっくり。もう少し詳しく見ていきましょう。

読解力は種類に分けることができます。

一つは情緒的な読解力

もう一つは論理的な読解力です。

情緒的な読解力

情緒的な読解力とは国語の試験で言うところの小説文に該当します。
行動や感情に関する語彙、比喩表現、会話から心情を推し量る能力が求められます。

よく日本語は「あいまいな表現や言い回しが多い」と言われますが、情緒的な読解力ではそんな日本語の特性を読み取る能力が求められていると感じます。

論理的な読解力

論理的な読解力とは国語の試験で言うところの評論文に該当します。

行間や情緒などは考えず、ただ本文中の言い方や文章構造、単語、接続詞などを見ていき、著者の主張やその根拠の組み立てを見ていきます。

数学の文章題などが苦手な人はこちらの論理的な読解力が苦手な人も多いのです。

読解力の伸ばし方

では読解力はどう伸ばしていけばいいのでしょうか。

読解力をどう伸ばしていくのかについては日常から積み上げていくものと、テストや模試での「解き方」のようなテクニックに大別されます。

日常的に読解力を高めていく

日常的に読解力を高めていくことも大切です。日常的に読解力を高めていくにはまず語彙力を身に付けることです。

この意味であれば本を読んだりするのも有効でしょう。

SNSが浸透した現在では文字に触れていても、平易かつ感覚的な文章(≒話し言葉)ばかりでなかなか新しい語彙や単語は入ってこないかもしれません。

小説や新書などの本を読んだりするのがオススメです。また本だけでなくいろんな年齢層や自分とは違う人たちともコミュニケーションを図るなど、いろんなことに触れて吸収することを大切にしてください。

本を読むときも語彙や単語だけではなく、指示語や代名詞が何を指しているのか、「今読んでいる文は何について書いているのか」などを意識することが大切です。

自分とは違う人たちともコミュニケーションを摂ることも大切。普段使わない語彙を知るきっかけになるかもしれませんし、同世代の間だけであれば「アレ」「コレ」で通じる話も相手の知識量、理解力に応じて言い換えて話さなければならないこともあるでしょう。そういった言い換え能力、言語化能力も読解力を伸ばしていくためには大切になります。

テストの中で「読解」するポイント

テストなどのテクニック的なことで言うと、評論文はまず文章を読み込むのはやめて、全体を斜め読みして大まかな文意をつかみます。

「この著者は何をテーマにしていて、何を言いたいのか」ということです。

①全体を斜め読み(何をテーマにしているかをつかむ)
②著者の意見は最後にまとめられていることが多いので最後の文章を読む(何を言いたいのかをつかむ)
③設問の選択肢を見る
④選択肢の根拠となる部分を本文から探していく

この順番になっていきます。

④に関しては逆に言うと「文章の中に根拠がないものは解答候補から外す」ということです。

例えば

「次の選択肢の中から著者の主張に合致しているものを選べ」などという問題の出し方は評論文の試験において定番ですね。

余計な行間を読んでいないか、自分の思い込みはないか、そういったことを考えながら根拠となる部分に線を引くなどをしていきましょう。
万が一間違えていたとしても、線を引くなどの「考えた跡」を残すのはとても大切です。

国語は暗記科目ではないので、文章問題の選択肢の文言を覚えても無意味です。復習の際に間違えた「考え方」や「読み違い」を思い出せるように考えた跡を残しておきましょう。

情緒的な読解とは国語の試験で言うところの小説文に該当します。

一点注意してほしいのは、今までに伝えた読解力とはあくまでテストや試験を乗り切るために必要とされる範囲での「読解力」。
では本当の意味での「読解力」とは何か、見ていきましょう。

日本の読解力の問題点

日本の学生に求められている読解力は「文章」のみを対象にしたものが圧倒的に多く、本当の意味での読解力とは呼べないという批判があります。

立命館アジア太平洋大学学長の出口治明氏の著書、「人生を面白くする 本物の教養」には日本と世界の教育の違いとして以下のようなエピソードが紹介されています。

ロンドン在住の友人から聞いた話ですが、あるとき、12歳の娘さんが宿題の相談に乗ってほしいと持ちかけてきたそうです。友人は仕事が忙しいため、ふだん娘さんとは没交渉になりがちだったので、喜んで娘さんの相談に乗りました。その娘さんは日本人学校ではなく現地の学校に通っていました。出された宿題とは次のようなものだったといいます。

中世に、サセックス地方の裕福な農家へ嫁いだ女性が書いた日記があった。その農村を仕切っていた地主の執事が書いた記録もあった。それから、19世紀にその時代の農村を調べたオックスフォード大学の教授が書いた「サセックス地方の中世の農家の形態」という論文もあった。この三つを読むにあたって、どういう点に注意すればよいか、というのが宿題の内容だったそうです。

友人はあまりの難しさに内心引っくり返ってしまい、苦し紛れに娘さんに「おまえはどう考えているんだ?」と聞いてみたそうです。すると娘さんは、「嫁いだ女性が書いたことには嘘がないと思う。村で起こったことがありのままに書かれているだろう。でも、自転車も電話もない時代だから、自分の目で見える範囲のことにとどまっていると思う。地主の執事が書いた記録は、おそらくより多くの年貢を取りたいという気持ちが働いているだろうから、作物の収穫量などを加減して書いている可能性がある。それを含んで読まねばならないと思う。それからオックスフォード大学の教授の論文は客観的なように見えても、どこかで自分の学説に都合のいいように脚色されている恐れがある。だから頭から信じないようにしたほうがいいと思う。このように答えようかと思っているんだけれど、おとうさん、どうかな?」と言ったそうです。

友人は「まあ、それでいいじゃないか」と答えつつ、「連合王国の教育はすごい!」と舌を巻いたそうです。

いかがでしょうか。

日本で言う「読解力」とは英語に直せばreading comprehensionというべきもので、一つの文章の意味を正確につかむこと。いわば読みの部分に重点が置かれています。
対して世界でいう「読解力」とは一つの文章にとどまるものではなく、複数のデータからその偏りを考え、自分で答えを探していくものです。

今後求められる読解力

日本において読解力とはしばしば「(国語の試験において)文章などを読み解く能力」とされてきました。

当然ながら上記のイギリスの宿題のように本来の「読解力」とは文章に限らず、もっと幅広い意味を持つものです。

では今後求められる読解力とはどういうものなのか、PISAの結果からみていきましょう。

PISA型読解力

国際的に実施されている学習達成度調査(PISA)において日本人の読解力が必ずしも高くないということが明らかになってきました。

※PISA…学習達成度調査(PISA)とはProgramme for International Student Assessmentの略で、OECD加盟国の世界79カ国・地域の15歳を対象に読解力と数学的・科学的応用力を測ることを目的としています。
PISAは2000年に第一回調査が開始され、その後3年ごとに調査が行われています。

事実、先日もニュースになったのですが、日本は2018年実施のPISAの結果「読解力」の平均点が落ち、前回の8位から15位に下落しています。
(詳しくは「日本は2年連続低下・・・学習達成度調査(PISA)っていったい何?」を見てみてください)

実は日本の教育においてつかわれている「読解力」という言葉がPISAで使われている読解力(PISA型読解力)とは異なっているからです。

PISA型読解力とは

・テキストに書かれた情報を理解するだけでなく、「解釈」し、「熟考」することを含む。
・テキストを単に読むだけでなく、テキストを利用したり、テキストに基づいて自分の意見を論じたりできる。
・テキストの内容だけでなく、構造・形式・表現法も評価の対象となる。
・テキストには、文学的な文章や説明的文章などの「連続型テキスト」だけでなく、図・グラフ・表などの「非連続型テキスト」を含んでいる。

というもの。こうしてみるともうすぐ始まる大学入試改革と通じるものがあるように感じます。

大学入試への影響

実際に大学入試共通テストの試行版ともいえるプレテストにおいて、国語の科目では法律などの実用的な文章や資料が問題文として取り上げられ、複数の情報から複合的に正解を求めさせる傾向が目立っていました。著作権法が題材に選ばれたこともあり、このあたりは個人的にはネット社会の中で氾濫する情報から正しい情報を判断させる力を身に付ける狙いもあるのかと思います。またプレテストではグラフや図表も資料として用いられており、PISAのレベルの読解力を身に付けることは今後求められる読解力を考えるうえで無視はできないかと考えます。

事実、PISAの結果は日本の教育方針にも大きな影響を与えています。
今は学生の習う内容も増え、脱ゆとり教育となっていますが、その背景には学習達成度調査(PISA)での日本の順位が下がったこともあるそうです。

ちなみに先ほどのイギリスの宿題の内容もPISA型の読解力を求めるものですね。

大人になってからも読解力は大切

そして、そもそも読解力は国語のテストのときだけ必要とされるものではありません。

大人になってからも必要とされるものですし、それ以前の大学入試においても小論文として読解力を駆使する場面は出てきます。

例えば、僕は大学の入試は小論文だけでしたが、大概において「著者の文章を読み、その上で自分の意見を述べよ」という出題でした。

今となっては何を書いたかすら覚えていませんが

・文章の意味を正確につかみ(従来の読解力)
・反論ポイントを見つけ
・根拠を示して自分の意見を述べる(PISA型読解力)

は共通していたかと思います。

また、大人になってからも仕事において

・指示の内容を正確にくみ取る
・文脈から大意をくみ取る

などの意味で読解力は必須になります。
(これはコミュニケーション能力にも関わりますが)

本当の「読解力」を身に付けることは一夕一朝には難しいかもしれませんが、身につけばそれは一生ものの財産になります。

「読解力」を伸ばしていけるように、日々がんばっていきましょう!

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